これまではトレードにおいての装備品探しに奔走していた感があります。また、自分は武道家なのか、戦士なのか勇者なのか魔法使いなのか、どの職業が最適なのかも探し続けてきました。
そして、このことがわたしが半年以上負け続けてきた要因だとも思います。
とにかくいろんな職業(スキャかデイトレか、大型か新興かなど)を試しては捨て、試しては捨てを繰り返してきました。
ドラクエ3をプレイした方は知っていると思いますが、転職するとレベルが1からになります。
しばらく一つの職業で頑張っていればいいものの、たいして実力のつかない内に次の職業に転職などしていたらいつまで経ってもレベル1のままです。
次に装備品探しです。これはとにかく一番いい武器が欲しいと思って、本当に時間をかけて勉強をしました。
よく「相場に聖杯はない」と言いますよね。
わたしも聖杯はないと思っています。
聖杯の定義は人によって違うのですが、聖杯とは絶対に勝てる方法だと認識していました。
わたしは自分が聖杯探しをしているとは気が付かず、聖杯探しをしていたのかもしれません。
システマチックに6割勝って4割負けるトレードというのは聖杯には入らないと思っていました。
なので、ある程度思考を簡素化し、裁量を極力減らしたトレード手法があり、みんなそれで勝ち続けてるものだと思っていました。
実際はトレードの中で裁量の占める割合は大きいんですよね。
例えばテクニカルだけでトレードしてると断言している人も、知らない間にファンダメンタルズ判断を取り入れています。仕手株っぽいのは触らないとか、煽り銘柄は避けるとか、SQや雇用統計、最近だとアメリカCPIやFOMCは気を付けるなんていうのも、裁量でファンダメンタルズを取り入れるのと同じですよね。
IRで下がっているのか、需給で下がっているのかで逆張りするかどうかなんていうのもファンダメンタルズです。
そういう意味では、純粋なチャートだけで勝っている人というのはほぼいないんじゃないでしょうか。
そして、エクセルなんかで手法を探すというのは、こういった誰でも意識せずに取り入れているファンダメンタルズをほとんど考慮できませんので、どうしても裁量トレードと比べるとパフォーマンスが落ちます。
システムトレードの唯一の強みは損切遅れ、自己都合、プロスペクト理論といった、人間の心の弱さからくる予定外のトレードがないところです。買いシグナルが点灯すれば必ず買うし、なければ絶対買わない。売りシグナルが点灯すれば売るし、しなければどれだけ儲かっていても売らない。
武器、つまりは手法なんてなんでもいいんです。逆張りでも順張りでも30分ブレイクアウトでも-3σタッチからのリバ狙いだろうがどちらでもいい、そこの優位性に大した差はない。
あくまでも仮定ですが、実は順張りが「はがねのつるぎ」で逆張りが「銅のつるぎ」だと明確に決まっていたとしても、
正しい損切や資金管理ができるかどうかや、相場環境を判断する裁量の力、胆力こそがレベルであり、レベル1の冒険者がはがねのつるぎを装備したところで魔王バラモスには勝てないんです。
バラモスに勝つにはレベルを上げるしかなくて、武器がはがねなのか銅なのかはそれを解決する根本的なところではないんです。冒険の中でよい武器、自分に合った武器が見つかればそれを装備すればいいけれど、大原則としてボスを倒す手段はレベルを上げること。ボスを倒す手段として武器を探すのはナンセンスだということ。
とくに相場においては武器の使用期限もありますので、特殊効果のある強力な武器を装備していてレベルは低いけれど戦えている、なんていう人はそれが相手に効かなくなった時に全滅してしまいます。
また、レベルを上げる中で高度な呪文(たとえば寄り付きでの高度なテクニックとか)を覚えることがあるかもしれませんが、それをレベル1で覚えようとするのは無理筋です。
少し話はそれますが、
わたしは元麻雀プロなのですが、これまでに何人もの人に麻雀での上達方法を教えてきました。
わたし自身はとてもシステマチックに麻雀をしてるつもりで、人に教える時も言われたとおりのことだけをしなさいと教えてきました。
そんな中でしばしば生徒たちにこう言われました。
「教えてもらったことを先生はやってないじゃないですか」
生徒にはリーチが入ったらオリましょうと教えているのにわたし自身はどんどん危険な牌を切っている。わたし的には危険ではないし、理屈があって切っているのですが、生徒からすればその違いがわからない。
こういったところが生徒とわたしの実力の違いなんだと、今ならよくわかります。
わたしが教えていることは必要条件に過ぎないのに、それだけできていればある程度は勝てると勘違いしていたのです。
そして、こういった裁量の部分は座学で身に着けるのは困難で、また学べたとしても実戦で遭遇した時にとっさに使えるかといえば難しいと思います。
人は2つのことを同時に考えることができません。
相場においては、とっさの判断が勝敗を分けることが多々あります。
ヘッドラインにどう対応するか。大口がしかけてきた時にどう判断するか。指数が急落急騰したらどうするか。
頭で利確はどうするか損切はどうするかなんて考えているようだと、こういったイレギュラーな事案がとんできた時に、それに脳のリソースを割く余裕がありません。
なので、前回のブログにも書いたように利確はどうとか損切はどうとかの基本的なことは体が覚えているという状態までレベルを上げて、それ以外の部分に思考力を使わなければならないと思うのです。
そういった能力が相場における実力の一つであり、育てるべきところなのだと思います。
レジサポラインを突破すればブレイクが起こる、逆三尊は強いなんていうのはただの知識であり、知識だけで相場の波を乗り切るのは不可能だと思うのです。
いままで負け続けてきて、現時点でのわたしのだした答えがここまでです。(結局今までどこかに書いてあったことですが、経験せずして理解はできなかった)
少々時間を無駄に使い過ぎたかもしれませんが、以前よりはゲームの進め方をできたと思いますので、一度ぼうけんの書を消して再度プレーしてみたいと思います。
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