蝋で固めた鳥の羽で飛び立つと、しぬ(損切とは何か)

何度も何度もやられてきました。

以前は景気よく勝てる瞬間が数日続くこともありましたが、それもだんだんと減ってきて、トレード自体が小さいものになりつつあります。

それでも勝てればいいのですが、どこかでやらかして結局はマイナス。

そろそろこのループから脱却したいと3か月くらい言い続けています。

そのために飽くなき努力をしてきました。

具体的にやったことといえば自分に合う手法探しと、それの検証。それとたくさん本を読むこと。

最近のパソコンはスペックが高いので、エクセルを使えば10年分くらいのチャートを損切条件などをつけて、トータルプラスかどうかや、年毎の成績や最大ドローダウンなんかも時間がかかりません。一度に100銘柄くらいやるとさすがに時間がかかりますが、組むことさえできれば大した仕事ではありません。

こういった検証を重ねる度に自信をつけて相場に挑み、そして「手法破れて相場あり」といった気持ちになります。(手法は通用しなくてもそこに相場はあり続け、勝ち続けているプロは存在するという工藤成語)


そして、そもそも自分に合った手法を探し続けるという行動が怪しいということに気が付きました。

わたしはかなりたくさんのテクニカルやインジゲーター、それらの計算式やそれの意味するところを理解できていると思っています。

それらは時に役に立ちますが、一つの行動の前には歯が立たず、脆く崩れ去ってしまいます。

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損切の未執行

いつどんな時も、負ける(継続的に)ときというのは損切をできないことがトリガーです。

昨日のインクルーシブだって、一発目のガラがきた時に投げていればひどいことにはなっていません。

VWAP(白い線)が支えとなって反発した押し目だと思ってINしたのですから、VWAPを抜けた時点ですぐに切るべきです。

(陽線の後の陰線1084で買っている。崩れた時にすぐに投げたら1050-1065程度で決済できて2000円~3500円程度の損切で済んだ。)

インクルーシブが新株予約権を行使完了したとかは二の次で、切るべきところで切らなかったということがトレーダーとして致命的なエラーです。


スロットで例えるならば、

「イベント日に高設定だと思っていて打っていた。現状では雰囲気が良さそうだが少し負けている。」

「この店の高設定はたいていは機種ごとに1台だ。今売っているこの台が高設定かもしれない」

するととなりの台で高設定確定演出が出た。

というような状況で、もしかしたら今日に限っては高設定が2台入ってるかもしれない、いや、たとえ入ってなかったとしても、いま負けている分くらいは取り返したい。

というような思考で打ち続けるスロプロはいません。いたとしてもそれはプロではなく養分です。

ここまで読んだ奇特な方はお気づきでしょうが、これからは損切をしていこうというのが話の着地点です。

しかしそれでは芸がないし、どうして損切ができないのか、どうすれば損切ができるのかについて考えなければならないと思いますので、このあたりの心理的要素を掘り下げたいと思います。

損切とは勝率を下げる行為

数えきれないほどのエクセルでの検証もしましたし、直観的にもわかると思いますが、損切をすると勝率が下がります。利益を3%、損失を0.3%とかに設定するとおそらく10%以下の勝率になると思います。

そしてわたしはこの損切が甘い人間なので、どちらかというと高勝率のタイプだと思います。

今まで60%で勝てていた勝負を30%40%に落とすというのは精神的にかなりきつい負担となります。

これまでにそのやり方で勝てているのだったら受け入れもするでしょうが、そもそも勝てていないところから、さらに勝てなくなるわけです。

これまで以上に勝てなくなるということは、「ひょっとするとこの手法・この損切ラインは間違っているのではないか?」という疑心暗鬼が生じてきます。

これがいつまでたっても損切ができないダメなスパイラルの原因ではないかと思います。

では、具体的にはどうすればいいのかというと、まずは心を無にして損切をやり続けるしかないと思います。

そうすれば低い勝率にも慣れてきますし、正しい損切ができているのであれば自ずとあまり負けないようになるはずです。

負けないようになれば、今度は損切をしないことが恐怖に変わってきますし、勝てるようになれば損切をするということが成功体験へと変化します。

人間を含む動物はメリットのある(と思っている)行動を積極的に取り、逆にデメリットのある行動はなるべく取らないようにできています。

現状で、わたしは体感的に損切をデメリットだと解釈しているのだと思います。まずはこれをメリットだと感じさせなければなりません。

体に刷り込む

桜木花道は最初、ダンクシュートにこだわり、基本となるレイアップを庶民シュートと蔑みましたが、強くなるために、この庶民シュート2万本の打ち込み練習をこなしました。

プロフェッショナルになるには1万時間の練習が必要なんていう言葉がありますが、これはトレードでも同じことだと思います。マクロ的には大量の練習時間が必要ですし、ミクロ的には「庶民の損切」2万トレードをこなして、損切が自然と出るように型を作ることが必要なんだと思います。


車の運転歴が長い人ならわかると思いますが、走行中に道路の端に人が歩いていたらどうしますか?

「この人は車に気づいてないかもしれない」→「ということは急に道路に飛び出してくるかもしれない」→「事故になるかもしれないから減速しよう」

と論理だてて考えてますか?

私の場合は人が歩いているのを確認できた時点ですでに減速が始まっています。そこに思考も論理もありません。

ジョジョの奇妙な冒険5部でもプロシュートの兄貴が言っていました

「「ブッ殺す」と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」

「危ない」と心の中で思ったなら、その時すでに損切は終わっていなければならないのです。それができていないわたしはまだマンモーニなのです。



と、ここまで書いてもまだ実戦で損切を間違いなく執行できる自信がありません。

まずは成功体験を得なければならないとも思いますので、2万本損切シュートの過程では逆指値を付けようと思います。

逆指値についてはかなり懐疑的(デイトレにおいては特に)でした。逆指値を使うということは自分の意志で切れないということだし、逆指値よりも早く切るべき時に、逆指値に甘えて執行できないのではないだろうかと思っていたからです。

損切ができないとき

損切をできなかったパターンは多くの場合は、「急に投げられた時」です。また、INする前に損切位置を明確にしていなかった時もズルズルといきやすいです。(これらは特に順張りスキャの時に起こりやすいです)

急落があった時にとっさに逆張りでINした時も損切できないパターンが多いです。


これらはどれも、事前の準備ができていないというところに特徴があります。

逆指値のメリット・デメリット


話を逆指値に戻しますが、逆指値のメリットであるのが(同時にデメリットでもある)、逆指値を設定しなければならないというところです。

これによって、強制的に損切位置を考えさせることが可能になります。

デメリットといったのは、そしてわたしがスキャの時に逆指値を使わないのは「設定しなければならない」の負担が大きいからです。スキャはほんの一瞬の時間で左右されるものなので、逆指値を設定する時間は無駄になります。

まずは補助具を取り付けて、事前に損切位置を決めることに慣れる。そして2万本シュートの過程で成功体験を得て、損切を「失敗体験」から「成功体験」へとクラスチェンジさせる。

これが今のわたしに必要なことだと思います。

残念ながら逆指値の設定をしている間はスキャはできないか、できたとしても回数をこなせないと思いますが、それでも余りあるリターンがあると思います。まずは気づいた時には損切が終わっているという自動損切トレード人間に体を作り上げることに専念したいと思います。

逆指値をつける位置

最後に具体的なことを決めておきたいと思います。

デイトレの場合は、逆指値の位置は少し深めに設定して、なるべく手動での損切をメインとしたいと思います。

抵抗線があるとするなら、抵抗線を割る前に損切をするのが理想ですが、逆指値は抵抗線に接した時や割れた時、自分の中での損切ラインはそれより手前というイメージです。

逆指値を自動ブレーキシステムとして使うのではなく、あくまでも事故が起きた時に命を取られないようにするエアバックのようなものとして使い、基本は事故が起こる前に自分でブレーキを踏むという形です。こうしないと2万本シュートの意味がありませんからね。

まとめ

・正しい損切(資金・リスク管理)をマスターせずして手法は機能しない

・損切ができないのは損切を失敗体験だと思っているから

・正しいトレードを得るには時間をかけた努力が必要

・体が勝手に損切を行っている状態に持っていく

損切の大切さや小手先の手法の意味のなさというのは投資のバイブルであるオリバーペレスの「デイトレード」をはじめとして、これまで読んだ本にどれも書いてあることです。

どの本にも書いてあることを軽視して、無数の失敗体験と無駄な努力という、できれば避けたい労力をこなして、こなして、こなしてようやく、それらの真の意味を知ることができました。

いや、わたしはまだ行動を起こしていないのですから、本質的にはまだ理解はできていません。

これから損切シュート2万本という意味のある努力をこなしてこなしてこなして、次のステージに向かいたいと思います。


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